“街の何でも屋として引っ越しや片付け、掃除のお手伝いをするハウジングゲーム”
作品の概要
主人公が引っ越した先の町で、住民の引っ越しや片付け、掃除などのお手伝いをするゲーム。
雰囲気に癒されながら依頼をこなしていくカジュアルゲーかと思いきや、街には隠された謎があり…?
タイトル | 夢物語の街 (Whisper of the House) |
開発元 / 発売元 | 元气弹工作室(GD Studio) |
リリース日 | 2025年8月27日 |
対応ハード | PC(Steam) |
価格 | ¥1,700 |
ジャンル | パズル、リラックス、ハウジング |
ゲームの要素としては、家の片付けをしながらインテリアを配置していくことがメインとなります。依頼内容に指定がない限り、基本的に自由に装飾することができます。


依頼によっては、インテリアの配置を指定されます。

Unpackingでは部屋から部屋へとステージが移っていくような形でしたが、本作ではワールドマップがあり、主人公が依頼人のお宅へ足を運び、お手伝いを行います。
ワールドマップではごみを掃除したり、段ボールなどを漁ってアイテムを入手したり、各地にいる猫をなでたり…と、いろんなことができます。
また、本作はストーリー要素もあり、住民との会話も楽しむことができます。

住民の依頼をこなすと、代金券という通貨を入手することができ、家具との交換やガチャを引くことができます。これにより、自宅のハウジング用の家具を入手することができます。


そんなカジュアルゲーの本作ですが、ワールドマップ上に「42」という数字が表示されている異様な雰囲気を持つピラミッドがあります。(生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答え?)
加えて、この街の各地では奇妙な出来事が起こりますが、それがこの街を知る鍵になるかもしれません。

評価
全体評価:3.5/5 ※評価はあくまで筆者個人の感想です
次セクション以降で詳細について話していきます。
良い点
- のんびりとプレイすることができる
本作では自宅でのハウジング時はもちろん、住民の依頼であっても制限時間や期限はありません。そのため、常にリラックスしながらプレイすることができます。
基本的に自分で好きなようにハウジングすることができるので、どのように家具を配置していくかを心行くままに考えるのはとても楽しかったです。
ハウジングでは特に小物類の種類が多く、シャンプーだけでも複数種類あったりと細かく分類されており、色の組み合わせもかなり良いと感じました。
癒し要素の一つとして、ワールドマップの各所にいる猫をなでることができた点もよかったです。

- BGMとSEが心地よい
こういったカジュアルなゲームでは、聴き疲れしない音がとても重要だと考えています。
その点において、本作はBGMが秀逸で、心を落ち着かせながら気ままにハウジングを行うことができます。BGMとして聴き続けられない、といったことはありませんでした。
SEも素晴らしく、多くの家具に固有の音があります。家具を配置することも楽しくなりますし、一部屋一部屋に命を吹き込んでいるような感覚を体験することができます。
- ただハウジングをするだけではない
本作はハウジング要素だけでなく、家の片付けや、イベントのための探索など、プレイヤーを飽きさせない工夫があると感じました。ワールドマップも広く、隅から隅へ探索のし甲斐がありました。
依頼があった家に意味深なメモが落ちていたり、様々な薬品を混ぜてイベントを進めたりと、多種多様な要素が本作には盛り込まれていました。

好みが分かれる点
- 日本語訳が甘い箇所がある
本作は海外デベロッパーのゲームなので、どうしても翻訳が不自然な点が多くあります。ゲームを進めていく上では基本的に問題ないのですが、人によっては気になるかもしれません。
例えば、依頼の差出人の名前と本文に記載されている名前が違ったり、敬体と常体が混合していたりと、どうしても不自然に感じてしまいます。

- 一部ホラーチックな演出がある
基本的にはまったりとハウジングを行っていくゲームですが、ゲームのイベントでちょっとしたホラー要素?があります。
ジャンプスケアのようにびっくりさせる系ではありませんが、ほんわかとした雰囲気とのミスマッチが気になる人もいるかと思います。

不満点
- UIの不親切さ
本作ではハウジングの際にマウスの左クリック・右クリックを多用するのですが、操作がこんがらがることが多々ありました。
ものをつかむのは左クリック、つかんだものを回転させるのは右クリック、置いてある装飾のインタラクトには右クリック、つかんだものを別の装飾にインタラクトする際には左クリック、部屋の移動には右クリック長押し…
このように、マウスの2ボタンだと操作が複雑すぎて、操作を間違えたばかりにイベントを逃してしまったのではないかと思うこともありました。
一応、キーボードショートカットもありますが、本編の中でマウス操作の説明しかなかったため、途中まで一切気が付きませんでした(見逃していただけかもしれないですが)。
ガイダンスやヒントがかなり不足していると感じるため、改善の余地ありだと思います。
また、倉庫機能のソートが微妙だと感じました。
絞り込みは可能なのですが、絞り込んでもアイテム数が多く、結局自分の目で総なめしていく羽目になることが多々ありました。

実際は「Q」キーや「E」キーでも操作が可能
- 経済システムのバランスの悪さ
本作では依頼をこなすことで代金券という通貨を入手することができ、家具との交換やガチャを引くことができますが、経済のシステムとしては微妙な印象です。
ガチャだけですべての家具が手に入る上にかなり安いですし、依頼をこなしていけばお金はかなり手に入ります。そのため、とりあえず回していればほしい家具はすべて手に入ります。ガチャというよりはランダムボックスで、特に特別感はないです。
個別に家具を交換することも可能ですが、ガチャ等でアンロックされているものに限るので、特に利用することはありませんでした。
あくまでハウジングがメインということで、ここの経済周りは超ゆるく設定されているのかもしれないですが、購入でしか手に入らない家具や、特定の依頼をこなさないと解放されない家具などがあってもよかったのではないかと思います。
- 不可解なストーリー要素
ストーリーはありますが、正直よくわかりませんでした。というのも、「依頼が来る→ハウジングの手伝いをする→完了」の流れが基本パターンで、ハウジング中に何かイベントを起こしたとしても、基本的に何も干渉しませんし、してきません。
なので、本作のストーリーについては、ストーリーといってよいものなのか微妙ではあります。
まとめ
UI周りの不親切さや、経済システムのバランスの悪さなど、少し粗が多い部分はありますが、それでもメイン要素のハウジングは楽しむことができました。整理整頓が苦手の筆者ですが、癒されるBGMと心地よいSEのおかげで、ゲームに没頭することができました。
まだリリースしたてのゲームであるため、プレイヤーからのレビューやフィードバックをもとにしてもっともっと良い作品になるのではないかと感じます。
現時点でも息抜きできるゲームを求めている人にはお勧めできる作品かと思います。これからのアップデートにも期待です!
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