“バター猫のパラドックスをモチーフにした、2Dプラットフォーム謎解きゲーム”
作品の概要
トーストはいつもバターを塗った面から着地する。猫はいつも4本の足で着地する。では、猫の背中にバターを塗った面を上にしたトーストを乗せたらどうなるだろうか?
―――というパラドックスをもとに作成された2Dプラットフォーム謎解きゲーム。
タイトル | CATO: Buttered Cat |
開発元 / 発売元 | Team Woll / GCORES PUBLISHING |
リリース日 | 2024年9月5日 |
対応ハード | PlayStation 5 / Nintendo Switch / PC(Steam) |
価格 | ¥1,300 |
ジャンル | パズル、アクション |
基本的にはねこちゃんとトーストを操作しながらパズルを解いていくステージクリア型の謎解きゲームです。各マップに複数のステージが用意されています。

ねこちゃんとトーストでできるアクションが違い、ねこちゃんがトーストを背負うと空を飛ぶことができるようになります。本作では、時にはそれぞれの力をうまく活用し、時には一緒にステージのゴールを目指していきます。

評価
全体評価:4/5 ※評価はあくまで筆者個人の感想です
次セクション以降で詳細について話していきます。
良い点
- 今までにないコンセプト
本作のようなコンセプトを持つゲームは珍しいと思います。
バター猫のパラドックス(ミーム?)は知っていましたが、それをゲームに落とし込む発想が独創的で、心惹かれました。
ゲーム内でも、ねこちゃんは常に4本の足で着地しますし、バターを塗ったトーストはバターの面を下に着地しますし、トーストを背負ったねこちゃんはパラドックスが生じてFlappy Birdのように飛ぶことができます。
1ゲーム作品として、注目する要素としては十分すぎると思います。

- 8bitライクに描かれたキャラクターやステージ
個人的には本作がリアル寄りのグラフィックでなくてよかったと思っています。
コンセプト自体が非現実的ですし、リアルなキャラクターやステージではこのジョーク感を出すことはなかなか難しいのではないかと思います。世界観としてマッチしていると思います。
それでいてドット絵にありがちな見づらさなどもなかったうえに、キャラクターたちもぬるぬる動くので、レトロすぎると思うこともありませんでした。
- 豊富な種類のステージギミック
本作には謎解きの要素として各ステージにギミックが存在します。
ギミックは面白いものが多く、猫は液体とよく言われるように、ねこちゃんがパイプの中をスイスイと移動出来たり、トーストはトースターを使ったギミックがあったり、多種多様なものが登場します。
ステージが進んで新しいギミックが登場しても、最初はチュートリアルのような優しいステージから始まるので適応に時間がかかることもありませんでした。
短いスパンで新ギミックが登場するので、飽きることもなく、プレイの継続性も高いです。

右の黄色いギミックはトースターで、トーストのみ使用可能
- 謎解きに干渉しすぎない、さりげないヒント
本作にはスタートメニューにヒント機能が存在していますが、これが絶妙です。
ヒントはキャラクターのシルエットが表示されるのみで、文字などは表示されず、謎解きに干渉しすぎないため、とても良い塩梅になっています。

好みが分かれる点
- 謎解き力とは別に必要となるアクション力
筆者はアクションゲームやFPSなどが好きなのであまり不都合は感じませんでしたが、パズルゲームにしてはアクション力が必要とされると感じました。
謎解きのない純粋なアクションステージや、ギミックを搭載したボス戦もあり、人によってはマイナスとなるポイントかもしれないです。


- やや足りないボリューム
1MAPに対してステージ数は多数用意されているのですが、謎解きの難易度自体がそこまで高くないので、割とサクサク進めてしまいます。
そのため、値段を考慮した際に、人によっては物足りなさを感じてしまうかもしれません。
- レベルデザインのバランス
筆者はあまり気にならなかったのですが、中盤が難しく、後半のほうが簡単なMAPなどがありました。
ゲームの進行度に応じて難易度があがっていくというわけではないので、好みが分かれるポイントかもしれません。
- あってないようなストーリー
本作はねこちゃんとトーストにとって大事なミルク製造機が壊れてしまい、修理に必要なパーツを集めるために冒険をする、というストーリーがありますが、ゲームのメインがパズルなので、ストーリーはないようなものです。
ここも、人によっては好みが分かれるポイントかと思います。
不満点
- 隠しステージの解放方法
本作は特定のステージに隠し道などがあり、そこから隠しステージへ移ることができます。
探索要素があり良いと思うのですが、一部の隠しステージはその前提の隠しステージを開放しないといけません。そのため、先のステージで隠し要素を見つけたとしても、何も起こらないということがあり、せっかく見つけても無駄骨ということがあります。
前のステージを再度プレイすることとなり、二度手間になることがありました。
- BGMの単調さ
各マップごとにBGMは違うのですが、少し単調だと感じました。
ゲームのBGMとして重要なのは聞き続けられることができるという点だと考えています。そういった点で聴くと、聴き続けられないというほどではありませんが、聴いているとどうしても単調さが気になってしまいます。
SEについては特に気になるような点はありませんでした。
まとめ
全体的によくできているパズル&アクションゲームだと思います。コンセプトも秀逸で、うまくゲームに落とし込めている点が素晴らしいゲームです。
アクションがあるので純粋なパズルゲームを求めている人には向かないかもしれないですが、かわいいキャラクターと、それぞれの個性的なアクションを使って解くパズルはプレイしていてとても楽しいです。
謎解きの難易度もいい塩梅で、時間を忘れてプレイすることができます。一気に進められるので、人によっては物足りなさを感じるかもしれないですが、個人的には万人にお勧めできる良いゲームだと思いました。コンセプトのミームを知っている人、ストアページを見て気になっている人はぜひ遊んでみることをお勧めします!
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